離婚 慰謝料ナビトップ > 離婚はどんな場合にできる? > 夫/妻の親と仲が悪い
夫/妻の親あるいは親族との仲が悪い、特に妻と夫の両親あるいは親族との仲が悪いという話はよく耳にするところです。妻と夫の親あるいは親族との仲が悪いというだけでは離婚原因となりませんが、夫が自分の親族と妻との間に立って仲を取り持つなどの努力をせず、円満な夫婦関係を取り戻す努力が認められないような場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)があるとして、離婚原因となり得ます。
裁判例には、妻と夫の両親との間の仲が険悪になっていたにもかかわらず、夫が家庭内のことに全く無関心で、妻と自分の両親との間を取り持つようなことがほとんどなかったというケースで、妻からの離婚請求を認めたものがあります(名古屋地裁岡崎支部判決昭和43年1月29日)。
他方、妻と同居している姉との間の仲が悪いことを理由に、妻が離婚請求をしたケースでは、夫が姉を別居させるなどの対策を取れば、夫婦間の良好な関係が取り戻せる可能性があるとして、離婚請求を認めなかったものもあります(東京高裁判決昭和60年12月24日)。
ひどいケースとしては、姑と夫が一緒になって妻をいびり、耐えかねた妻が家出したところ、これを理由に夫が離婚請求をしたものがあります。当然、裁判所は夫からの離婚請求を認めませんでした(最高裁判例平成2年3月6日)。
私としては、世の中において、夫の実家と妻の間に全く問題がなく、円満である夫婦の方が少ないと思います。夫の実家と妻とが同居などしていれば、なおさらです。いかに夫が仲を取り持てるかが、夫婦関係において重要なカギになってくると思われます。