DVを受けて離婚する場合、DVによって受けた精神的苦痛と、離婚自体により受ける精神的苦痛について慰謝料を請求することができます。
DVについて慰謝料を請求した事案には以下のようなものがあります。
夫が妻に対して、家事や育児の意見について言うことを聞かせようと暴力を振るい続けていました。ついには、夫が妻を投げ飛ばし、顔や頭、腰を殴る、蹴るなどして大けがを負わせました。
このようなケースで裁判所は、離婚についての慰謝料として350万円、大けがを負わせた点については、入院したり通院したことについての慰謝料100万円、後遺症を負ったことの慰謝料500万円を認めました。これに加えて、後遺症を負って将来働けなくなった分の損害賠償として1113万5023円を認めました(大阪高裁判決平成12年3月8日)。
なお、この裁判例では、交通事故の損害賠償請求の計算方法を参考にして、慰謝料を計算しています。DVで怪我を負わされた場合の損害賠償において、交通事故の損害賠償の計算方法が一つの参考になると思われます。